こんにちは!
ずぼら読書家ゆいきです。
「ブックレポート」は、
ゆいきが読んだ本を紹介する
不定期コラムです。
今回は、今年累計4冊目、
さくらももこさんの
「憧れのまほうつかい」を
紹介します!
「憧れのまほうつかい」とは?
今回紹介するのは、
ちびまる子ちゃんの作者で知られる
さくらももこさんによるエッセイ
「憧れのまほうつかい」です。
↑実際の書籍には
金の箔がついていて
きらきらとっても綺麗です。
「もものかんづめ」をはじめ
学生時代にいくつか読んだことがあって
全部を覚えているわけではないけれど
日常の何気ない部分を切り取った話ばかりで
思い出すのは全部くすっと笑えるものばかり。
ある画家にフォーカスを当てたもので
これまでに読んできたエッセイとは
一線を画すものでした。
絵ばかり描いていた少女は、
17歳の冬、
一冊の絵本にひと目で
恋をしてしまった。
作者の名を
エロール・ル・カイン。
その少女はさくらももこ。
彼に弟子入りしたいとまで
思いつめた少女ももこ。
そしてついに、
憧れの人の地を訪ねることに!
だけど、チャララ〜ン、
やっぱり思いもよらぬ
爆笑珍道中。
イラスト満載、
涙と笑いの桃印エッセイ。
巻末インタビューにも
エピソードがいっぱい!
憧れの画家との出会いと別れ
今回のエッセイで中心となるのは
イギリスの画家
エロール・ル・カイン。
さくらさんが高校時代、
本屋の絵本コーナーで
「おどる12人のおひめさま」
という絵本に出会ったところから
エッセイは始まります。
緻密な絵柄のとりこになったさくらさんは
ル・カインのことがすっかり大好きになって
いつか弟子になりたいとまで願います。
▼書籍の中でさくらさんは
ル・カインの絵を
「まさにこの世の素敵を全て集めたかのよう」
と表現。
読み始めたさくらももこさんのエッセイで、エロール・ル・カインの絵本を手にしたさくらさんは「まさにこの世の素敵を全て集めたかのよう」と表現。
こういうの。こういう一言でバシッとまとめあげて心に残る言葉選び。憧れる。 pic.twitter.com/jxOYXpC1KO— ずぼらいたーゆいき✍️ブログ100日連続更新目指し中 (@yukwi_daily) February 14, 2021
そんな夢を抱いていたある日。
本屋に並んだ
ル・カインの本に
「遺作」というポップが
付けれていることで
さくらさんは
彼が亡くなったことを知ります。
魔法使いはもういない。
あの美しい世界が
どうやって描かれていたのか、
もう知ることはできない。
ル・カインには
もう決して会えない。ー幾つもの悲しい思いが
次々に浮かんだ。
しばらく書店の
ル・カインのコーナーの近くに
静かに立ったままで居た。
シャガールが死んだ時より
ショックだった。
引用:「憧れのまほうつかい」P.24より
何回読んでも泣いてしまう。
さくらさんが憧れの画家について綴ったエッセイ。まだ20ページしか読んでないのに言い得ぬ感動で電車でめちゃめちゃ涙を堪えている。 pic.twitter.com/mRggC8q8ng
— ずぼらいたーゆいき✍️ブログ100日連続更新目指し中 (@yukwi_daily) February 14, 2021
笑いあり涙ありの爆笑?珍道中
そんなしんみりムードから
始まった本作。
本の後ろの紹介文には
さっき引用したとおり
憧れの人の地を訪ねることに!
だけど、チャララ〜ン、
やっぱり思いもよらぬ
爆笑珍道中。
このしんみりムードから
そんなことある??
と思いながら読み進めていたら
そこはさすがさくらさん。
順調に活動しているところまで進み
ル・カインを日本人に紹介する
本を出そうということに。
(それがこのエッセイ!)
日本人に会いに行ったり
実際にイギリスに行くことになったり
ル・カインに縁のある場所を巡る旅
の旅エッセイになっていく。
そうか、まるこだ〜〜
と思う場面多々あり(笑)。
仕事をしていた人から話を聴いて、
胸を熱くするさくらさんの描写が
また素敵でした。
本の挿絵がめっちゃ素敵
この本の魅力の一つは
なんといっても挿絵。
ル・カインの絵が
多数載っていました。
さらに各章の扉枠が
ル・カインが描いたもので
うっとりするほど綺麗。
さくらももこ「憧れのまほうつかい」
装丁が素敵。
各章ごとにル・カインの美しい扉枠が配されていてうっとりしてしまう。さくらさんのルーツなんだなぁとしみじみ思う💭
デザインはコズフィッシュ祖父江慎さん。 pic.twitter.com/viaWNKRwYj— ずぼらいたーゆいき✍️ブログ100日連続更新目指し中 (@yukwi_daily) February 20, 2021
さらにさくらももこさんが描いた
「私の中のル・カイン」
というタイトルの絵も
たくさん挿入されています。
さくらさんがル・カインに
影響を受けて描いた
緻密な絵の中に
コジコジやまるこがいて
とってもかわいい。
影響を受けつつも
しっかり自分の色を出しているところが
素敵だな〜と思いました。
さくらさんの絵によく出てくる
曼荼羅(まんだら)は
きっとル・カインの影響なんだろうな
と思いました。
(▲本の表紙も曼荼羅)
巻末のインタビューも素敵
エッセイが終わると
特別インタビュー
「絵についての思い出」
が載っています。
編集部の方がさくらさんに
「まるこ」を描き始めるまでの
色々な出会いを聴いていく。
その内容がまた
本当に良くて……。
特に刺さった話はこちら。
・絵の良さを共有しあうたまちゃん
・いわさきちひろ作品集の思い出
それぞれどんな話だったかは
ラジオの中でじっくり説明しているので
気になった方は是非聴いてください。
こんな人におすすめ!
・さくらももこさんが好きな人
・ちびまる子ちゃんが好きな人
・エロール・ル・カインが好きな人
・絵の鑑賞が好きな人
・夢に向かって頑張っている人
・絵を描くことが好きな人
・何かに夢中になりたい人